あなたは仕事でメモをしっかり取れている自信がありますか?
当記事では『仕事でメモを取る基本習慣を身に付ける』をテーマに、メモの有用性と即実践できる4つのテクニックをご紹介していきます。
特に20代のうちからメモを習慣化しているといないとでは、仕事での覚えの早さに大きな開きが生まれてきます。
例えば、先輩や上司からアドバイスを受けている時にボーっと聞いてしまっているなんてことないですよね。
自分は記憶力には自信があるから大丈夫!と頭では覚えた気になっても、数時間経つと「あれ?どこを直すように言われたんだっけ。」と忘れてしまいがちな人は要注意です。
若いうちに習慣化しておかないと、仕事をなかなか覚えられなくて苦労することになりかねません。
私が新入社員の頃の話ですが、サーバー(大型のPCみたいなもの)構築の仕事をやってみろと言われて、チャレンジしたのは良いのですが、わからないことばかりで先輩によくアドバイスをもらっていました。
その時の私は「メモを取ることよりも、一生懸命話を聞くことが大切だ」と思い込んでいましたが、実際は逆なのです。
案の定、集中して話を聞きもらさないように心掛けていても忘れてしまうことが多くて、よく叱られていましたね。
若いうちは覚えることが多すぎなので、脳記憶だけでは理解が追い付かない事が多々あります。
メモを取りながら話を聞くことは決して失礼なことではないので、遠慮せずに目の前で堂々とメモを取りましょう。
とはいえ、メモを習慣化するには何から行えば良いかよくわかりませんよね。
この問いを解決するためのテクニックも記事内にて紹介しています。読み終わったら、すぐにメモ帳を開いて実践してみて下さいね。
手書きメモはあなたに想像以上のメリットをもたらす
まず最初に、メモを取ることでどのような効果が期待できるのかお話していきます。
尚、メモにも色々やり方はありますが、私が推奨するのは『手書きのメモ』です。
今やスマホやタブレットといった電子媒体を駆使してメモを残すことも簡単になりましたが、いきなり電子媒体を使ってメモを取ることはおすすめしません。
電子媒体をおすすめしない理由は以下の3つです。
- 速記に向いていない。
- 無意識にきれいに書こうとしてしまう。
- ベテラン層に嫌な顔をされる場合がある。
スマホのフリック入力を極めている人ならば別ですが、基本的に手書きの方が早く書けます。とにかく自分が読めれば汚い文字でも良いですし、全てひらがなで書いても問題無しです。
また、タブレットだと文章の体裁を一緒に整えようとしてしまいがち。これも時間のロスに繋がります。
最後に40代~50代のベテラン層は、目の前でスマホをいじられるのを極端に嫌う傾向があります。
「メモを取っているだけです」と伝えても、あんまり良い顔はされないですね。頭固くて嫌になっちゃいます。
話を戻しますが、手書きメモを習慣化することで生まれるメリットは4つあります。
アドバイス
- 記憶として定着しやすくなる
- 時間を節約できる
- 客観的に見直すことができる
- 将来的なストックが増える
これだけだとよくわからないと思うので、順を追って解説していきますね。
①:記憶として定着しやすくなる
メモを取るだけでも後で見返すことが出来るので十分に効果はありますが、手書きだとさらに良い効果が生まれます。
実は『手書きで文字を書くと記憶に残りやすい』ことがインディアナ大学の研究結果で明らかになっています。
【参考記事:ニューヨークタイムズ】※英語の記事ですが、Google翻訳機能で日本語化できます。
手で文字を書くという行為が脳を活性化されてくれるので、より深く内容を理解することができるというわけです。あなたも学校の授業で、黒板を眺めているよりもノートに書いた方が記憶できていたという経験があるんではないでしょうか。
②:時間を節約できる
単純な話ですが、話を一通り聞いて自席で思い出しながらまとめるのと、同時進行でメモした内容を見てまとめるのでは、圧倒的に後者の方が有利というだけの話です。
また、人間の脳は少し前に覚えた内容を『短期記憶』として保存しますが、新しい情報が次々に入ってくると脳の処理が追い付かなくなってしまうので、古い情報を忘れようとします。
つまり、先ほど聞いたばかりの話だとしても、思い出すのに時間が掛かるし抜けが生じやすくなるわけです。
情報の新鮮さが保たれているうちにメモをすることは『書く時間』『思い出す時間』、この2つを短くできる最良の選択と言えるでしょう。
③:客観的に見直すことができる
手書きメモを残しておけば、冷静になって後から好きなだけ見直すことが出来ます。
話を聞きながらメモを取るのは集中力が必要になるので、疑問や発見がその場では生まれにくいです。
しかし、自席に戻って冷静にメモを見直せば、その場では思い付かなかった発想が次々出てくるなんてことがよくあります。
つまりは『冷静になることで自発的な気付きが生まれた』というわけですね。
上記のように教えてもらったことをそのまま実践するだけではなく、自分なりに発展させることができると、成長速度をグッと加速させることができます。
④:将来的なストックが増える
メモには脳記憶の補助的な役割があります。
自分の頭だけですべての仕事を記憶して実践することは、とても大変なことです。
ですが、乱雑に書いたメモを順々に整理して自分のPCやスマホにノウハウとして蓄積させておくと、数年後でも引き出しを開くように思い出すことができてしまいます。
人間の脳は非常に優秀なので、自分が重要だと思った内容をほぼ永続的に記憶することが可能と言われています。
ただし、すべての記憶を全開で覚えておくと脳が疲れてしまうので、すぐ必要では無い情報を一次的に眠らせてしまうんですね。
眠っている記憶を呼び戻すためには『紐づけるキッカケが必要』になるのですが、メモを整理してストックしておくと必要な時に呼び戻すことが可能になるんです。
ここまで手書きメモを取るメリットをご紹介していきました。
若いうちからメモを取ることを習慣化する重要性が、お分かりいただけたのではないでしょうか。
概要だけ伝えれば即行動してくれるBさん。
どちらが優秀かは一目瞭然ですね。
認三郎流!メモを習慣化するための4つのテクニック
最後にメモを習慣化して仕事を効率化した私から、実践的なメモ術をお伝えしたいと思います。
その方法とは、以下の4つのテクニックを順番に実践するやり方です。
メモ習慣化4つのテクニック
- どんな時も必ずノートやメモ帳を持参する
- キレイに書くより漏れなく書くことを意識する
- 席に戻ったらメモを見返して即電子化
- 電子化したメモを分析整理する(ノウハウ化)
人によっては「メモしてから電子化なんて二度手間だ」なんて思うかしれませんが、一度手書きするとしないとでは記憶の定着具合が圧倒的に違います。
最初は速く書けなくてつらいですが、繰り返せば慣れていくので頑張りましょう。
テクニック1:どんな時も必ずノートやメモ帳を持参する
私の勤めていた会社の後輩でも、このメモを持ち歩く姿勢が出来ていない人は多かったです。
打ち合わせや会議はもちろんですが、上司や同僚からアドバイスを聞きたい時や逆に呼ばれた時も常にメモを持ち歩くようにしましょう。
ケースバイケースで持ち歩くタイミングを考えると疲れますし、持ってこなくて困る場合の方が圧倒的に多いからです。
テクニック2:キレイに書くより漏れなく書くことを意識する
とにかく話の中で覚えておくべきと判断した情報はもらさず書く気持ちで取り組みましょう。
メモの内容は後ほど重要な要素だけ転記して整えるので、質より量が大事です。聞いた内容の80%を書く気持ちで取り組むと良いです。
余裕があったら、以下の要素も取り入れてみて下さい。
・重要な項目には赤ペンで印を付けるかアンダーラインを引く
・関連がある項目同士は矢印を引いて繋げてみる
テクニック3:席に戻ったらメモを見返して即電子化
メモ帳などのテキストエディタを開いて、手書きメモの内容から必要な項目を転記していきましょう。
転記する作業中に浮かんだ疑問点や改善点がもしあれば、合わせて書いておくようにして下さい。
この段階もまだ下書き状態なので、見栄えはそこまで気にする必要はありません。
翌日になるとメモを取っているとしても、思い出す作業が必要になり時間を無駄にしてしまいます。
テクニック4:電子化したメモを分析整理する(ノウハウ化)
メモした内容をいよいよ整理していきます。
わかりやすいように具体例を挙げて説明していきますね。
例えば、『高田商事という会社向けに販促(販売促進)データを毎月1回提供する業務』があったとします。
この業務を行うために有識者から聞いたメモをまとめた結果が以下の通りです。
メモした内容
・販促データは業務用パソコン経由でダウンロード(手順は知ってる)
・高田商事に送る際は、パスワード付きファイルにしてメール添付する
・高田商事の山田さん宛てに送っている
・提供は毎月1日に行う
パッと見た感じだと出来そうな気がしますが、じっくり手順を整理してみると次々に疑問が湧いてくるはずです。
疑問点
・ダウンロードした販促データの加工等は必要ないのか?
・ファイルのパスワードにルールはあるのか?
・1日が休祝日だった場合はどうするのか?
・何時まで渡せれば良いのか?
・山田さんのメールアドレスは自分の認識と合っているか?
追加の質問を整理できたら、有識者にメールを送るか直接聞いて再確認をしましょう。
再確認をしないで自分の予想で進めてしまうと高確率で失敗します。
重箱の隅をつつくような気持ちで進めた方が良い結果を招くので手を抜かないようにしましょう。
再確認後に作成したノウハウメモがこちらになります。
高田商事向け販促データ提供手順
■作業実施:毎月1日(休祝日の場合は翌営業日)
■リミット:当日18:00までに提供
①販促データは業務用パソコン経由でダウンロードする。
②ファイル名を「販促データ〇月実績.csv」に変更する。
③ファイルをパスワード付きでzip形式で圧縮する。※パスワードは「takadacorp」固定。
④高田商事の山田さん(yamada@takada-c.co.jp)宛てに送信する。
この内容をメモ帳などに書いておけば、見ながら作業を進めることで間違いを無くすことが出来ますし、数年後に後輩に引継ぐ時に渡すだけで済むので非常に楽できます。
最初は手間でも、ノウハウを増やすことが数年後の作業効率アップに繋がるわけですね。
ノウハウをストックして将来の苦労を減らしていこう!
ここまで手書きメモを取るメリットと習慣化してノウハウストックを増やすテクニックをご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
私が紹介した4つのテクニックを実践すると、ノウハウ集という形で将来あなたが使える引き出しを増やすことが可能になります。
ストックしたノウハウを仕事で活用すれば、数年前の内容でもすぐに思い出すことができるようになるでしょう。
さらに言うと、ノウハウ集を社内共有可能な場所に格納しておけば、同僚に仕事をお願いする時の参考書として提示することもできてしまいます。
手書きメモからのノウハウストックは、非効率な繰り返し作業の手間を減らして仕事を効率化させるのに有効な手段です。
慣れるまでは大変だと思いますが、仕事の失敗や残業を削減にも繋がっていくので、将来ゆるやかに働くために今から習慣化してみてはいかがでしょうか。