多くの企業が完全週休二日制を掲げていますが、仕事が期限内に終わらない場合や顧客からの緊急依頼等で休日出社を余儀なくされている人が多いのが実情です。
悩み事
週末ゆっくり過ごしたかったのに、上司に呼び出されて最悪だ!
家族と出掛ける予定が仕事のせいで台無しになった。
休日出てるのに代休も取らせてくれない…もう嫌だ。
私も大手IT企業で12年働く中で、何度も休日出社を経験した人間です。忙しい時期は3ヶ月ずっと土曜か日曜どちらか出ている時期もありました。
休日出社って貴重な週末を無駄にするだけで良いことないですよね。できることなら休日の予定を潰してまで出社したくないものです。
結論から言いますが、休日出社したくないなら断固出ない姿勢を貫き通すしかありません。
最初は周囲の目がつらいですが、何度も繰り返すうちに「この人は休日出社しない」と周りが意識し始めたらしめたものです。
自分の予定を優先して悪いことなんて、まったくないですよ。
当記事では、休日出社を発生させないための立ち回り方と断るコツをご紹介していきます。
5分くらいで読める内容になっています。あなたの休日出社を減らす助けになれば幸いです。
休日出社は法的に違法ではないが、必ずしも従う必要はない
労働基準法第36条(36協定)では以下のように定められています。
使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。
つまり4週間(約1ヶ月)の間に4日以上の休日を設定している企業であれば、急な休日は許容されます。
ほとんどの企業が当てはまりますので、休日出勤自体は法律違反にはならないというわけですね。
続いて、勤め先の会社の勤務形態が『週休二日制』『完全週休二日制』のどちらかも確認していきましょう。
週休二日制:月に1回は2日休みの週を設ける
完全週休二日制:毎週2日休みを設ける
いずれも企業が一週間に従業員に対して休日を取得させる日数が定められています。
つまり、休日出社をする代わりに別日に振替休暇を取らせないと契約違反になるという事です。
あなたの会社が振替休暇しっかり取らせてくれていないのなら、体制そのものに問題があります。
人事に相談するのがベストなのでしょうが、そこまで大ごとにすると色々と面倒な事になってくるので避けたいところです。
例え振替休暇を取らせてくれて週の真ん中1日休みを取ったとしても、予定も立てにくいし仕事の電話が会社からきてイマイチ休んだ気がしませんよね。
休日出社が嫌なら、まずは予定通り休みが取れるように立ち回る意識を持つところから始めていきましょう。
休日出社は強制なのか?
悲しい話ですが、会社が『労使協定』を過半数の従業員代表者及び労働組合と結んでいる場合は、強制させることは可能になります。
労使協定(ろうしきょうてい)とは、労働者と使用者との間で締結される、書面による協定の事です。
出典元:wikipedia
労使協定の中には、時間外労働・休日労働の決まりを定めた労働基準法第36条(36協定)があります。
この36協定の内容に同意しているかどうかで休日出社が強制されるかどうかが決まるわけです。
尚、従業員に対して労働規定を説明していないと労働基準法違反に当たります。
覚えていないかもしれませんが、あなたも入社説明会で話を聞いているはずですよ。
とはいえ、予定外の休日出社って『スケジュールの遅れ』『トラブル対応』がほとんどです。
こういった場合は、強制力を全面に押し出さずにあなたの人情に訴えかけてお願いしてくるケースが多いです。
仕事だからという理由で何でも会社から言われたことを優先するのは間違っていると、私は声を大にして言いたい。
ひとつ事例をご紹介しましょう。(名称は架空です)
入社4年目の佐々木さんは人から仕事をお願いされやすい性格です。
今週末は大好きな彼女とお台場でデートの予定があるので、週末が待ち遠しくて仕方ありません。
金曜日の16時になった頃、上司が急にニコニコしながら話かけてきました。
上司「佐々木くん、実はお客さんから緊急の依頼があってね。明日会社出られるかな?」
佐々木「明日はちょっと予定がありまして…難しいです。」
上司「そこをなんとか!君の助けが必要なんだよ。頼む!」
結局、上司の押しに負けて渋々首を縦に振ってしまいました。
佐々木「彼女からは散々怒られるし、思った以上に大変な作業で最悪…本当にこれで良かったかな。」
まったく良くありませんよね。
もし、彼女に振られでもしたらあなたの人生が台無しになりかねません。
事例でご紹介したように、休日出社を許容することはリスクしかないです。
ちなみに、佐々木さんの事例で最も得をするのは誰でしょうか?
⇒正解は『会社』です
上司も本当は頼みたくないはずです。しかし、会社のためとあらば部下の予定を犠牲にしてても仕事をさせようとしてきます。
むなしい生き方ですよね。
休日出社を回避する意識を持つ事が大切
勘違いしないでいただきたいのですが、休日出社が必ずしも悪いというわけではありません。
仕事において仲間同士の助け合うことは信頼関係を築くうえでも大切な事なので、困っている人に手を差し伸べることはやめるべきではありませんよね。
ですので、急なトラブルや障害の場合やメンバーが助けを求めている場面では、できるため休日出社してあげるべきです。
ただし、調整可能な仕事の遅れや上司からの急な依頼や根拠のない休日出社命令などが理由であるならば、休日出社は断固として断るべきでしょう。
あなたの予定より仕事が優先される理由はどこにもありませんよ。
「若いうちは遊ばずにがむしゃらに仕事しろ」なんて言う人がいますが、私は間違っていると思います。
本来のあなたがやるべき仕事は平日内でしっかりスケジュールしてこなすべきです。休日出社が横行してしまうと、疲れが取れないまま平日を迎えることになるのでリスクが残るだけなんです。
会社に振り回されるのが嫌なら『不条理な休日出社はしない』という姿勢を貫くようにしましょう。
休日出社を発生させないためにすべき事【平穏を掴むためのテクニック】
ここからは、どうしても休日出社をしたくない日に有効な立ち回り方をお伝えしていきます。
まず、休日出社をしないために考えることは2つあります。
- 休日出社が無くなるように調整する方法
- 休日出社を拒否する方法
先に言っておきますが、休日出社しない姿勢を貫くということは上司や同僚との摩擦は多少覚悟しておいて下さい。
休日出社を依頼するということは、依頼者側にも複雑な事情があるはずです。だからと言って引き下がる理由にはなりませんので、口車に乗せられないように注意深く交渉する必要があります。
最初はつらいかもしれませんが、断固たる姿勢が後々あなたの生活に平穏をもたらす結果となってくれることでしょう。
順番に説明していきますね。
休日出社が無くなるように調整する方法
仕事が予定期間内に終わらない場合に取るべき対処方法をご紹介します。
当然ながら、1週間のスケジュールを意識して計画的に動く事が最も大切です。
厳しい事を言いますが、期限に間に合わないのって結局はあなたの落ち度でもあります。常に余裕を持って動くこと意識して下さい。
私が日頃実践している対処方法は以下の3通りです。
週末期限でスケジュールを組まない
週末期限でスケジュールを組んでしまうと、休日出社の可能性が格段に上がります。
作業の期限調整をする際は週末の前日(土日休みなら木曜期限にする)を設定するようにしましょう。1日余裕を持たせることを習慣化するだけで、スケジュール遅れをキャッチアップすることできます。
自分から早めに間に合わない事を伝える
すみませんが、どなたかヘルプをお願い出来ますでしょうか
そもそも間に合わない事が分かった時点で上司や同僚に伝えるようにしましょう。状況によっては、社内調整して助けてくれる場合もあるので、休日出社を未然に防ぐ事が可能です。
意外と伝える事を遠慮してしまう人が多いのですが、ハッキリ言ってもらった方が相手も助かります。
期限調整する方法を考える
上司によっては単純に期限調整するのが面倒だからやってくれない場合があります。
その場合は変わりに自分で調整してしまいましょう。
実際に現場との温度差があって、急いでいないケースがあったりしますよ。
休日出社を拒否する方法
続いて紹介するのは、休日出社をお願いされた時の上手な断り方です。
冒頭でも述べた通り、最も大切なのは『自分は休日出社しない人間だと認識させる事』です。
注意事項
繰り返しになりますが、休日出社は必ずしも悪というわけではありません。
同僚が助けを求めている場面や遅れが致命的になる場面では本当に休むべきか考えて行動するようにして下さい。信頼を失って会社にいづらくなるのが一番つらいですからね。
『休日出る必要性を感じない』と自分がはっきり判断できる時のみ、使っていただきたいのです。
それでは、3つ実践的なやり方をご紹介していきます。
早い段階で週末の予定を作っておく
日頃から週末の予定を作っておくように心掛けておきましょう。
可能であれば、同僚や上司と世間話する時に週末の予定をほのめかしておくと良いです。
今泉さんのように『週末予定がない』アピールは絶対しないように注意しましょう。
裏を返せば『休日出社できます』と言っているようなものです。
毎回予定を考えるのが面倒と言う人は、カルチャースクールやスポーツ団体に入って活動するのもおすすめです。月謝を払っている場合は金銭が絡むので、強引に出社させるのが難しくなるので効果的です。
家庭事情や公共機関の点検があると伝える
頻繁に使うのは難しいですが、『回線工事の立会い』や『電気の点検』があるから家にいないといけないと伝えるのも効果的ですね。
公共機関は割と日程調整の融通を付けにくい(一か月先伸ばしになったり平気でする)のは、相手も経験があるのでわかってもらえるのではないでしょうか。
また、既婚者で子供がいる家庭は『授業参観』『親子レクリエーション』『地区のイベント』を理由にするのも良いでしょう。
私しか車が運転できないので連れて行けないんですよ。
事情を説明して先延ばしにできないか交渉してみるよ。
ただし、頻繁に使うと怪しまれるので使うタイミングは注意して下さい。
他の人材をあてがう(恨みを買うリスク有り)
先に相談してみてはいかがですか。
どうしても出たくない時の最終手段ですが、同僚メンバーを同じスキルを持った人を名指しで指名しましょう。
指名する際のポイントですが、
- 自分より『早い』『確実』である点を前面に押し出す
- 実際に自分より優秀でなくても構わない
- 後ほどさり気なくお礼や感謝の気持ちを伝えておく(すごく大事)
特に、代わりに出社してくれた人には必ずお礼を言う事が大切です。
投げるだけ投げるような立ち振る舞いを繰り返していると、あなたの信頼度がガタ落ちになるので要注意ですよ。
緊急トラブルや障害の場合はよく考えて
休日出社はなるべき避けるべきですが、本当に会社として致命的な問題や障害が発生している場合は断らずに協力した方が良いです。
たしかに障害対応は大変だしつらいことが多いのですし、あなたが出なくても変わりに誰か対応してくれるかもしれません。ですが、あなたが『緊急性が極めて高い状況でも手伝ってくれない人間』だと思われてしまうと間違いなく低評価になりますし、同僚からも白い目で見られてしまうので、会社にいるのが苦痛でしかなくなります。
私も基本的には休日出社はしないスタンスですが、大規模なシステム障害が発生したとなると話は別です。
休日に上司から電話があったら、率先して状況確認して会社に向かうようにしてました。
シンプルに考えるなら以下のような切り口です。
・休日出社しないケース:スケジュール遅延、上司からの緊急出社依頼
・休日出社するケース:システム障害、顧客からの重大なクレーム
・要判断なケース :困っている同僚のフォロー、溜まっている仕事を終わらせたい
要は先延ばしにした時の影響度合いを考えて行動しましょうということです。
まとめ:仕事とプライベートは両立してこそ価値がある
できることなら避けたい休日出社の上手な断り方をいくつかご紹介させていただきました。
私も休日は自分の予定をなるべく入れるようにして、無駄と判断した休日出社を回避するようにしてきました。
相手も予定がある人間を無理に出社させるのは多少遠慮するはずです。あなたも予定をなるべく作っておいたうえで、社内で週末の話題を共有しておくと、休日出社を依頼される数が減らすことができますよ。
土日はしっかり休んでリフレッシュ!
その分、平日は手を抜かず質の高い仕事をしていけば、あなたの評価が下がる事はまずありえないでしょう。
とはいえ、休日出社が必ずしも悪いわけではないです。溜まっている仕事を一気に終わらせたい時は会社が静かな休日は割と有効と言えます。また、仲間が助けを求めている時は自分の予定と照らし合わせて、調整可能かどうかも必ず判断して下さい。
会社によっては「社長や上司の意見は絶対だ!」という社風の危険な企業も存在します。
今回紹介した立ち回り方を実践しても、社員の意見にまったく耳を貸さず休日を取らせてもらえない場合、転職も視野に入れて考えた方が良いでしょう。
こちらの記事が助けになるかと思いますので、ご覧下さい。
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