悩み事
IT業界に就職を希望しているけど、残業が多くてきついの?
転職先にIT業界を検討している。実際に働いている人の意見が知りたい。
東京の一部上場企業に12年勤務。システムエンジニアとして働いた経験がある認三郎(にんざぶろう)です。
IT業界って残業が多くてブラックな職場と思われがちですが、決してそんなことはありません。
一部のブラック企業のニュースばかり取り上げられるせいでIT業界のイメージは悪い印象ですが、選び方と働き方を間違えなければ長く働きやすい環境と言えるでしょう。
ただし、まったく苦労が無いかというとそんなことはなくて、つらいことや大変な仕事もたくさんあります。現に私も仕事では苦労した思い出ばかりです。
今回はIT企業に12年務めた私から、仕事を通して実感した良い所と悪い所を紹介していきます。
尚、ベンチャー企業や外資系のIT企業だと少し勝手が違ってきます。あくまで日本の一般的IT企業に勤める場合の例として捉えて下さい。
当記事がIT業界への就職・転職に興味がある方の参考になれば幸いです。
IT業界の良い所は?
IT業界で働く際の利点として、私が最も強く感じたのは『仕事の安定性』『成長を感じやすい』『肉体的に楽』という点ですね。
以下がIT業界で働く主なメリットです。
- マイペースで仕事しやすい
- 技術力を磨ける
- 体力がいらない
- 仕事の需要が大きい
- 休暇調整がしやすい
マイペースで仕事しやすい
基本的な仕事の進め方をまずご説明しますが、顧客から受注した案件を期限内に納品するのが一般的なスタイルです。
つまり納期さえ守る事ができれば、ある程度は自分のペースで仕事を調整できるというわけですね。
なので、作業が前倒しなら毎日定時に帰ることもできますし、有休も取得しやすい環境と言えるでしょう。
日程調整のお願いはあっても、取ってはダメと言われたことはないですね。
あと仕事で疲れた時は、コンビニでコーヒー買って同僚と雑談したり、トイレの個室で10分くらいリフレッシュにスマホ見たりとかしても怒られません。
飲食店や接客業のように規律が厳しくないので、のびのび働きたい人にはおすすめです。
技術力を磨ける
会社でどのような技術を取り扱っているかにもよりますが、個人では購入が難しいソフトウェアやハードウェアを触ることができます。しかも、給料もらいながらです。
いえいえ、未経験でも問題無いです。
私は理系の大学でC言語やVisual Basicといったプログラム言語を学習しましたが、会社に入ったら『大学の授業はお遊び』だったことに気付きました。正直な話、まったく役に立ちませんよ(笑)
経験者が優位に立てるのが最初の数か月だけです。
私の勤めていた会社は文系大学卒のプログラム未経験者が半分いましたが、経験者との差は1年くらいで埋まりますね。
最も大切なのは『意欲的に覚えていこうとする姿勢』です。これが無い人はIT業界で長く働き続けるのは厳しいでしょう。
体力がいらない
よくIT土方(ITどかた)なんて言葉を耳にしますが、決してIT業界は体力勝負な現場ではないです。
むしろ、自席からほぼ動かなくて良いので運動嫌いには最高の職業ですよ。
私も運動するのが大嫌いなので、席から動かなくても仕事が進む環境はありがたいなって思いました。
仕事の需要が大きい
ITの仕事って100年先まで無くなることはまずないでしょう。
それくらい生活に無くてはならないレベルでITは根付いています。
また、飲食業や製造業は経営不振で突然の倒産もありえます。
その点、IT業界は長く安心して定年まで働くことができる現場と言えるでしょう。
休暇調整がしやすい
基本的にお客さんと直接仕事をする場面が少ないので、作業調整がしやすく休暇が取りやすい職場が多い印象です。
あとチームで仕事する場面が多いので、突然風邪を引いたとしても、チームメンバー内でフォローしてくれます。
TOPICS
働き方改革の一環として、2019年4月より『有休が10日以上残っている人は年5日以上取得するように義務付けられました』
今後は、さらに有休が取りやすくなりますね。
IT業界の悪い所って?
続いてデメリットをお伝えしていきます。
こちらの方が気になるって人多いですよね。
IT業界の欠点は『時間が不規則になりやすい』『精神的ストレスが大きい』点です。
主に4つのデメリットを挙げさせていただきます。
- 残業は割と多い
- 感情が乏しくなる
- 顧客と話す機会が少ない
- 達成感を感じにくい
残業は割と多い
想像通りかもしれませんが、IT業界はやはり多職種と比べて残業が多い傾向にあります。
入社2~3年目までは毎日定時帰りも頑張れば可能ですが、それ以降は多少残業する場面が出てくることでしょう。
会社によってバラつきはあるので一概に言えませんが、全国平均は『47時間』だそうです。
私の場合は平均月20時間ほどと少ない方ですが、忙しい時期は50時間越えることもありましたね。とはいえ、「36協定」に違反するような残業は会社としてさせられないので、ご安心下さい。
IT業界に残業が多い理由は様々ですが、『納期・スケジュールを守る』という観点から、間に合わせるために止む無く残業する必要が出てくることが多いですね。
厳しいことを言いますが、残業ゼロとか言っている会社はあまり信じない方が利口です。
入社する前に全国平均くらいの残業時間は覚悟しておいた方が、気持ち的には楽に仕事に臨めますよ。
感情が乏しくなる
プログラマーやシステムエンジニアは『パソコンがお友達』です。
打ち合わせや相談事などで仲間と話す機会はありますが、基本的に黙って作業をする時間が多いです。
あまりに人と話さないでいると、急に声出した時に変な声が出て心配されるので、コミュニケーション不足を感じたら、自分から挨拶したり朝会で雑談する場を設けたりと工夫することをおすすめします。
顧客と話す機会が少ない
こちらもプログラマーあるあるですが、営業が取ってきた案件をこなすような現場だとお客さんと直接会話する機会がほぼ無いです。
私が働いていた職場は割と客先で打ち合わせする機会も多かったのですが、社外での常駐業務がメインの環境だと「この仕事は何の目的でやっているのか」わからないまま、仕事を淡々とこなす状況になってしまいます。
入社前に確認しておきましょう。
達成感を感じにくい
販売業は『商品を売る』。建築業は『家を建てる』がゴールです。
IT業界のゴールは基本的に『システムを構築する』になりますが、要は『仕組みを作ること』なので、目に見えて成果を感じにくいという悲しい特性があります。
システムが動き出した直後は「あっ、上手く動いているわ」くらいの感動しか無いので、達成感が他の仕事と比べて薄いです。
あと、成果が出ても直接お礼を言われるのは営業です。エンジニアは黙々と新しい仕事をこなすしかないわけですね。まさに孤高の狼といったところです。
結論:ITに興味があるならチャレンジして損はない業界
「安定して長く働きたい」「新しい技術に興味がある」という人は、IT企業で働くことを強くおすすめします。
とにかく需要が大きい業界なので、学ぶことはたくさんあります。きっと、あなたの成長の糧になってくれることでしょう。
正直なところ傾向で避けることは可能ですが、確実に大丈夫という保証がないのが現状です。
しかし、新卒や2~3年目での転職であれば、入社後に判断しても問題はないでしょう。
間違ってブラック企業に入ってしまっても、即転職すれば良いだけです。
むしろ、ブラック企業の話を面接ですれば親身になって聞いてくれることでしょう。
とはいえ、なるべくならホワイトな企業を選びたいのが心情です。
選ばないために気を付けておくべきポイントをまとめましたので、ご覧下さい。
ブラック企業を選ばないためのコツは?
おそらくリサーチ済みなので引っかからないとは思いますが、以下のフレーズを求人に載せているところはブラック企業である確立が高いです。
ブラック企業の求人フレーズ
・勢いのある~
・アットホームな雰囲気
・未経験歓迎
・やりがいのある~
あとは以下の点も求人情報から確認しておくことをおすすめします。
確認ポイント
・固定残業代(みなし残業)になっていないか?
・出社形態が不規則ではないか?(不定期な夜勤など)
・会社の強みが具体的に書かれているか?
・社長が前に出過ぎていないか?(ワンマン企業の可能性有)
さらに念を入れるなら『口コミサイト』を見るべし
求人を見るだけでは不安が拭えない人は、口コミサイトを利用しましょう。
Vorkersは社員が直接口コミを寄せているので、信頼性が高くておすすめです。
社名で検索すれば、会社に対する評価を簡単に確認することができます。
尚、口コミ詳細を見るためには、会員登録&就職・転職サイトへの登録も必要で面倒なのですが、『会社評価スコア』という風通しの良さ・20代成長環境の評価結果をグラフ化した画面は会員登録しなくても見ることができます。
◆参考:日本アイ・ビー・エム・システムズ・エンジニアリング株式会社の会社評価スコア
正直、この画面を見るだけでも十分参考になりますよ。
鵜呑みにしすぎも危険なので、客観的な視点でご利用下さい。
まとめ:IT業界は大変だけど得るものは大きい
IT業界の実態を実経験からまとめてみましたが、いかがでしょうか。
良し悪しはありますが、私から言えることはITに興味があるのなら挑戦してみて損はない業界ということです。
地元の零細企業に勤めるよりは、よっぽど楽しく仕事ができますよ。
「万が一、入社先がブラック企業だったら?」
自分が誤ってブラック企業に入社してしまったら、すぐに転職活動を進めて抜け出しましょう。
昔は「3年間は気合で頑張れ!」とか言われてきましたが、今は『第二新卒』というポジションで採用してくれる企業もあるので、我慢してブラック企業で働き続ける必要は無いですよ。
とにかく自分の身がボロボロにされる前に躊躇なく動くことが大事です。ブラック企業に対して気を使う必要はまったくありませんからね。
入る前から不安ならば、すぐに転職活動ができるように求人数最多の『リクナビNEXT』あたりに登録して保険を掛けておきましょう。
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おすすめ転職サイト
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もしもの時を考えて今から目星を付けておくと、精神的不安を減らせるのでおすすめです。